救急情報をリアルタイムに表示するモニターをオタワ市(カナダ)の4つの病院に導入

 

カナダの首都オタワでは緊急通報が入っても出動できる救急車がない"レベルゼロ"の状態が発生していました。これを改善するために緊急通報への対応状況を救急隊員と病院がリアルタイムに共有することで、迅速な対応に役立てています。このブログは主に以下の記事の紹介となります。

 

"ER displays aim to ease delays for paramedics"

http://www.cbc.ca/news/canada/ottawa/ottawa-paramedics-new-dashboard-off-load-delays-1.4492971

※記事に掲載された画像の中のディスプレイにはQlik Senseの画面が映っていますのでご覧ください。

 

オタワの救急医療隊員は病院の救急救命室が本来通り患者に対応し、隊員たちが病院での待ち時間を減らして新たな緊急通報に対応するための技術に目を向けています。

 

オタワ救急サービスは4つの市立病院に大型のモニターを導入しました。市の緊急通報システムのデータを使い、モニターには救急車が病院に向かっているところや救急隊員が患者を引き渡して再配置されるまでに時間がかかっている状況が表示されます。

 

このシステムは"患者引き渡しの遅延"(offload delays)、つまり、救急隊員が患者を治療側に引き渡せずに混雑した病院内で無駄に過ごす時間を短縮することが期待されています。

 

それまでひどい日には救急隊員は5時間以上病院内で待つこともあり、その間は新たな緊急通報に対応することができなかったそうです。

 

オタワ救急サービス副部長のGreg Furlongは「患者引き渡しの改善は患者がより早く治療を受けることができることを意味します」と語ります。

 

レベルゼロ警報

 

レベルゼロとは緊急通報に対しオタワ市の救急車が1台も出動できない状態のことを言うそうです。オタワ市では過去にレベルゼロの状態になるのはまれでしたが、2016年には250回以上起こりました。

 

オタワ救急隊員協会(the Professional Paramedic Association of Ottawa)会長のDarryl Wiltonは「私たちは日常的に警報を聞いており、つい先週まで夜間に長時間にわたって警報が鳴っていました」と語ります。

 

オタワ市はこの問題に対処するために救急隊員を増員しましたが、なお増加する緊急通報に対応し続けているとWiltonは話します。

「我々は街中に救急隊員のリソースを戻すために、新しく、革新的なことに挑戦する必要があります」

 

病院へのプレッシャー


先週最初のモニターがMontfort病院とオタワ市立病院に導入され、順次他の病院にも導入されています。

スクリーンでは救急隊員が患者を引き渡すのに30分以上時間を要していると赤く表示されるように設定されています。

 

Montfort病院救急部門の医療部長であるShaun Visser医師は「この赤い警報は病院のスタッフに救急隊員を仕事に戻すように促す"同僚からのプレッシャー"(peer pressure)の役目がある」と言います。なぜなら、モニターには全ての病院が要求に対応している状況が表示されるからです。

 

また、Visser医師は「オタワ市のすべての救急部局ではリアルタイムに患者引き渡し遅延を見ており、すべての人が同じフィールドで、システムのどこにプレッシャーがあるのかを気付くことができます」と話します。

 

システムはさらに効率的に

 

システムが導入される前は、ERスタッフは患者の受け入れ態勢がある病院を見つけるために連絡をしなければならず、その結果救急隊員に直接連絡をしなければなりませんでした。Visser医師は「新システムではそれがある程度自動的に実行されるようになることを望んでいます」と言います。

 

オタワ市の通報センターはこのツールを利用して病院のキャパシティに応じてより均等に救急車を病院に向かわせることができるようになりました。また、特にクリティカルなケースにおいては、救急車がいつ到着するか正確な時間を病院のスタッフに示し、スタッフは患者対応の準備をする時間を確保できるようになったそうです。

 

追記

なお、文中で出ましたGreg Furlongさんは、2018年4月23日からにアメリカのフロリダ州オーランドで開催されるQlik Qonnections 2018にて "Seconds Matter! Actionable Analytics: The Paramedic Experience"というタイトルでご講演されます。

https://www.qlikqonnections.com/sessions/2018-sessions/?persona=business-leaders&products=qlik-sense&page=2