日本でのPCR検査数が少ないことが話題になっています。1月末に新型コロナウィルス感染症が指定感染症とされたことにより、感染症指定医療機関(やむをえない場合はその他の医療機関も可)に入院させることが必要になりました(現在は緩和)。
陽性者は入院させる必要があったため、受け入れ病床の確保(もしくは医療機関以外の受け入れ施設の確保)ができていない時期には、医療機関に過度の負担をかけないためにPCR検査を増やせないなど事情があったことが推察されます。
現在では、受け入れ病床の確保が進んでいると言われており、また、医療機関以外の受け入れ施設(軽症者向け)も増えてきました。一方で、感染経路不明の感染者が増えており、積極的なPCR検査の必要性が言われるようになってきました。
(リスクのある方へのPCR検査は条件を緩和してもう少し早い時期に実施される必要があったと思いますが。。)
では、実際にPCR検査の検査数はどうかを見てみたいと思います。
データは厚生労働省が公開している以下のデータを利用しています。
・国内における新型コロナウイルスに係るPCR検査の実施状況
・国内事例における都道府県別の患者報告数
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html#kokunaihassei
ただ、時系列にまとまっていなかったり、表の作りがずれていたり、なかなか使いづらいです。
「国内における新型コロナウイルスに係るPCR検査の実施状況」は検査機関別に時系列に検査数が集計されています。検査人数でなく、検査数であることをご注意ください。PCR検査は1人に複数回行われるため(特に陽性者)、検査人数と検査数は異なります。
実際に、4/28までの検査人数は13,695人となっていますが(同じサイトの「新型コロナウイルス陽性者数とPCR検査実施人数(都道府県別)」データによる)、上記のデータで検査数は250,554件となっています。
時系列のデータが検査数しか探しきれなかったもので、これで無理やり検査数と発症数(陽性判明者数)で時系列に並べ見てみました。
赤が発症数、グレーが検査数です。こちらは全国の数字です。
週別でまとめるとこのようになります。
積極的PCRにはまだ遠い状況です。また、最近は徐々に毎日の発症数が減ってきたと言われることもありますが、そもそもPCR検査数が少ないことにご注意ください。
また、検査機関別の時系列の検査数はこのような状況でした。
感染者の早期発見、軽症/重症のトリアージ、軽症者への重症化防止、重症者への手厚い対応を効果的に行うにはなにが必要なのでしょうか。